オープンスタンスには二つのパターンが考えられる。(各スタンスの違いについてはスタンスの項をみよ)
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pic1辻選手(東芝姫路)。オープンとクローズの違いがよくわかると思う。
辻選手はシングルスに力がいっていることもあって積極的に2のタイプのオープンスタンスを使用する選手だ。女子ではまだまだ珍しい。ただこの画像でのオープンは1のタイプだ。 |
- 前足を斜前(あるいは横)に踏み込む(あるいは引く)。↓pic2参照
- 後ろ足を踏み込む。↓pic3参照
1は今迄一般的に誰でもやっているやり方だ。
特に日本では、オープンスタンスというと1のみが認識されていた。いや現在でも大部分の人がそうだ。
1はインサイドつまりバック側にきたボールに対して回りこんで、 あるいはまわりこみ気味にコースに入り、その結果としてオープンスタンスとなるもので、
受動的なオープンスタンスといえる(pic1の左)。それに対して2は、意志的なものだ。
身体の外側に来たボールつまり右側遠くにきたボールに対して後ろ足を踏み込んで打つ形である。
重要なのはもちろん2だ。
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pic2元世界チャンピオンの木之村選手のインサイドへのボールに対する前足をひらいてのオープンスタンス |
日本そういうボールに対しては前足を大きく踏み込んでクローズドスタンスを用いる人がおおい(pic1の右)。
このpic1の右画像のようなボールに対してオープンスタンスをとるというのが2である。
グリップが厚く(ウエスタン寄り)なるとオープンスタンスのほうが面を作りやすい(もっといえばウエスタンになればなるほど身体を開いてボールをとらえる必要がある。でないとフラット面ができない)。というかウエスタングリップはヒッティングポイントがもともと少ないのでスタンスをクローズすればするほど苦しくなる。
(実は)ヒッティングポイントのすくなさがウエスタンの一番の利点であり、同時に欠点であることをよく知る必要がある。
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pic3世界チャンピオン謝順風の後ろ足を踏み込んだオープンスタンス |
1994年のルール以降、守備範囲がはるかにひろがったこと、シングルスの導入、等で、2の重要性がようやっと(日本において)認識されだしたところだ(まだほんの一部だが)。しかしはっきり、これを積極的につかうかそうでないかでは、あまりに、差がついてしまう。
オープンの一番の効用はリカバリである。つまり打ち終わったあと次ぎの動作にスムーズに移行できる。とくにきびしくクロスへ打たれたボールの処理ではそれが有効だ。フィニッシュがそのままもどり体勢となる(クローズドよりもどうかすると2歩は早い)。
視野の広さ、死角の少なさも特筆すべきだ。台湾男子はもっともオープンスタンスを積極的におこなうが、その台湾の名将廖俊一氏に聞いてみよう。『踏み込んで打つのが一番威力はでる。でもオープンは広く打てる』。日本のあるコーチは「台湾は死角打ちがうまい」と言ったが、キーはオープンスタンスにある。クローズやスクエアでは死角であってもオープンでは全然死角なんぞではないのだ。
オープンでは前足踏み込みによる体重移動をおこなわないので、上体のパワーと軸足(後ろ足)の曲げのばしだけで打つことになるが、そこで重要なのが上体の捻りもどしだ。オープンだからといって全てが開いているわけではない。上体はしっかりクローズして、パワーをため込むわけだ。
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