セカンドサーブ
読み方 せかんどさあぶ
 

 

 ファーストサーブは上から、セカンドサーブは下からというのが一般的な認識だが、実はこれは日本だけのことだ。

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室谷(岡山市役所)のセカンドサーブ.。日本におけるセカンドサーブの一つの典型。

日本ではビギナークラスから、上級者(一流選手も含)までセカンドサーブにはショルダーカットサーブに代表される軽くあるいは充分にアンダースピンの効いた球質のサーブを打つ傾向がある。打点は高くてもせいぜい頭の高さから、下は膝の高さくらいまでで、ショルダーカットサーブと呼ぶにはあまりに多様だと考えたのか、日連のだしている指導書では最近、といっても20年くらいまえからだが、サイドスライスサービスという風に表現されている。このサイドはボールの横(サイド)ではなくて、身体の横(サイド)という意味だ。ちょっと紛らわしい。

 昔の人、超壮年といわれる人たちに聞くと、このいわゆるショルダーカットサーブに代表されるアンダーカット系のセカンドサーブが一般的になったのはそれほど古い時代のことではなくて、インドアでの大会が盛んにおこなわれるようになってからのことらしい(十分古い時代か・・・これは現在も取材中)。

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高川選手(NTT西日本広島)のセカンドサービス。まさに最高レベルのセカンドだ。

 ダブルファーストというソフトテニス特有(硬式テニスで使うときは意味が違う)のいいまわしがあるが、これは日本におけるファーストサーブとセカンドサーブの在り方を端的にあらわした言葉だ。セカンドは下から(オーヴァヘッドではない)という固定観念?があるから、セカンドをオーヴァ−ヘッドで打つことにたいしてダブルファーストという表現が可能になるのである。

硬式テニスでダブルファーストという場合には、それこそダブルファースト的なサーブつまり、ファーストサーブと同じクオリティのサービスのセカンドを指していう。

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 いわゆるダブルファーストは少数派だが、その併用タイプもある。ネットプレイヤーにたいしてはセカンドをダブルファースト(つまりオーヴァ−ヘッド)で、ベースラインプレイヤーに対してはセカンドをカット系で短くいれるというものである。これはいうまでもなく、ベースライナーはレシーブ後ベースラインまでさがりたがるし、逆にネットプレイヤーはその名とおり、ネットをとりたがるからである(日本の男子のトップクラスにはこの併用タイプがおおい)。

さらにこれが高じるとベースライン側にはファーストから(オーヴァヘッドでない)できるだけ弾まない短いサーブを入れるようになる。もちろんそれはファーストの名に恥じない強烈なスピンのかかったものとなる(いわゆるアンダーカット)。

 しかし近年では国際大会において短いサーブを入れられると、何のためらいもなくネットをとるベースライナーが増えてきた。そんな彼らのネットプレーはベースライナーの余技などではもちろんなく、非常に危険?なものである。この先どう展開していくのか、現在はまさに過渡期といえる。まだまだ国際大会それも男子だけの話だが・・・

pic02はネット大好きベースライナーのひとり黄晶煥(韓国-聞慶市庁)。(短いサーブがはいったあとの)レシーブ後むろん、ラリー中でも甘いボールがくるとすかさずダッシュしスマッシュやドライブボレーを積極的に仕掛けてくる。1996、2001,2002韓国国家代表。2001東アジアダブルス銅メダル。2002アジア五輪国別対抗金メダル、同ダブルス銀メダル

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 国際大会をみると上に書いてきたようなセカンドサーブへの認識が非常にローカルなものであることがよくわかる。とくに台湾はまったく逆だ。台湾は強烈なアンダーカットサービスが有名だが、セカンドではオーヴァ−ヘッドでトップスピン系のサービスを打ってくることがおおい。

セカンドもカットを使うのは1999年の世界選手権ダブルスで優勝した謝順風pic03)。このひとのセカンドはまた滅茶苦茶切れていて、すくなくともそばで見る限りではファーストとの差がわからない。これこそ真のダブルファーストかもしれない。

謝順風のカットについてはこちらも御覧ください(クリック)

韓国のセカンドもオーヴァヘッド。フラットか軽いリバースサービスで長くいれてくる

 

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