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グリップ[grip]
カ行 く
読み方 ぐりっぷ
 ラケットの部分を指す場合と、その部分の握り方を指す場合がある。
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1.ラケットのにぎりの部分。通常は八角形。甲高(右画像上)、扁平(右画像下)、正八角形(右画像中)と3種類があるが、ソフトテニスでは、一流選手使用のものは、ほとんどが正八、まれに甲高。

 硬式テニスでは扁平がおおいが、近年のウエスタングリップの流行により正八にちかづく傾向がある。

 ラケット面に平行して薄いのが扁平、厚いのが甲高。

 直系は極細で32mmくらいから極太の40mm近いものまでさまざまだが、市販されているのは35mm前後。

ベースラインプレイヤー(後衛)は細いものを、ネットプレイヤー(前衛)は太いものを好む傾向にあるが、まったく逆の嗜好をみせるプレイヤーもいる。

 

pic02コンチネンタル
pic03フォアハンドイースタン

2.グリップの握り方には大きくわけてコンチネンタル(右画像上)、イ ースタン、ウエスタンと3種類がある。もっともイースタンはバックハンド(右画像3番目)とフォアハンド(右画像2番目)の2種類があるので4種類ということになる。 コンチネンタルイングリッシュともよばれる。両者はまったく同じものを指す。

  コンチネンタル(イングリッシュ)はローンテニス発祥の地であるイギリスで考案されたもの。

 イースタンはアメリカの東部地方が発祥なのでその名(イースタン)がある。当初はアメリカンともよばれていた。 グラウンドストローク(フォア)の際に完全に手のひらが打球面の裏側にまわりこみささえることができる。

 ローンテニスは新大陸(アメリカ)にわたり、競技志向がつよくなったが、そんななかで生まれたグリップである (イギリス人はあくまでスポーツマンシップにこだわったがアメリカ人は勝つことにこだわった)。

 一説には、最初にこのスタイルを使用したのはウィリアム・ラーニッドといわれ、 彼は1901からの10年間に7度全米選手権(現在のUSOPEN)のシングルスに勝利した。

 ウエスタングリップの考案者はアメリカ西海岸のプレーヤー、モーリス・マクローリンでそのためにこの名がある。彼は『カリフォルニアの彗星』とよばれ、そのプレーはたくさんの観衆をあつめ、テニス界最初のスーパースターといわれる。フォアハンドに強烈なトップスピンがかかっていたのは御推察の通りだが、驚くべきはバックハンドだ。彼は手首を返しそのままのグリップでバックハンドも打ったのだ。これはソフトテニスとまったく同じ打法であることはいうまでもないだろう。

 

pic04バックハンドイースタン
pic05ウエスタン

 軟式テニスがなぜウエスタンが主流となったのか、もうひとつ判然としないが、このアメリカ西海岸で大流行したグリップがそのまま伝わったとする説が有力だ。あたりまえだがウエスタンはソフトテニスの専売特許ではない。それどころか一枚看板?である、ソフトテニスはラケットの片面だけでフォア、バックを打つというのさえ、先のマクローリンの話しでわかるようにオリジナルはローンテニスにあるのである。

 もっともこの片面のみで打つという表現はどうなんだろう。どの本にもそう書いてあるが・・・単にフォアハンドグリップ(ウエスタングリップ)のまま手首を返してうつだけではないか。あんなわけのわからないことをなにも考えずに書くから、ソフトテニスはラケットの片面しかつかわない、とか、もっと極端なのになると片面しかつかってはいけない、とか誤解する人がでてくるのだ。まあどうでもいいが。

アメリカでウエスタングリップができるのは1900年代にはいってからであり、日本にはそれ以前にすでにテニスははいってきており、20年以上の時を経ている。アメリカへローンテニスが渡るのとそれほど時間的な差がないのである。アメリカからウエスタンがはいってきたとしたら、その間、どのようなグリップだったのか?(それはおそらくウエスタングリップだった気がしている。それどころかローンテニスのオリジナルグリップもウエスタンではなかろうか?すくなくとも当時の写真や絵はまぎれもなくウエスタンだ。このことは調査、勉強中)

 マクローリンのスタイルはウエスタンスタイルとして一世を風靡したがチルデン等の台頭により、イースタン勢も復活し、チルデンなどはその著書でウエスタンを時代遅れとしている。ただ、なくなったわけではない。チルデンと同時代にジョンストンというウエスタンの強豪がいたし、ちょうどそのころ日本から熊谷一弥が軟式仕込みのウエスタンでアメリカにのりこみ大暴れし、クレーコートでは世界一といわれたりした。その熊谷がはじめて本場プレーをみたとき、ジョンストンらのウエスタン勢に勇気づけられたというエピソードもある(ジョンソンらがフィリピン遠征のさい日本にも立ち寄った)。

 よく戦前の世界硬式テニス界で日本が大活躍したのはウエスタングリップがめずらしかったせいだ、なんてことをよくいうが、にわかには信じ難いはなしである。なぜ活躍できたのか?単に熊谷等が強かっただけなのでないか?(ただヨーロッパにはトップスピンドライブの選手はほとんどいなかった)。

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 熊谷とくれば清水善造だが、このひとも軟式出身とはいえ、非常に特異なグリップであり、この人のスタイルにはむこうもおどろいたのではないか。ほとんど異様とさえいえる特殊さである。なんとバックハンドイースタンの裏面でフォアハンドを打ってしまうのだ。しかも(いや当然というべきか)フォアハンドをかまえたとき右足が常にまえにあったという。彼は右利きである。これでは絶対に強打はできないし、実際に速いボールはなかったようだ。まるで女性の打ったボールのようにおそかったという。

 しかし彼はこれでウインブルドンで実質決勝進出を果たしてしまうのだ。いったいどんなテニスをしたのか?抜群のプレースメントとおそろべきフットワークがあったといわれ、そして先のループドライブ、なんとなくあのボルグを想起させるが・・・このふたりには壁打ちテニスからテニスに親しんだという共通点もある。ちなみに清水は軟式時代は前衛だった。

 右画像は清水善造。シミーの愛称でウインブルドンでは人気を集めたという。それにしてもこの写真、何をしたところか即答できるだろうか?おそらくフォアハンドストロークである、それ以外には考えられない。彼は軟球時代(当時はこういった表現をつかった)前衛だった、と先に書いたがこのグリップでボレーをどうやったのか?みればみるほど謎が深まるプレイヤーだ。

 

 

 正しいグリップ(握り方)とはなにか?とよく聞かれるし、また「正しいグリップでにぎりなさい」という指導もよくされるが、その正しいグリップとはいったいなにか?

 実はそんなものはない。プレーヤーここにに適正なグリップが存在しているだけで、これ、というものは存在しない。どうやってそれをみつけるか。その手助けをするのがコーチの役割であり、自分の価値観を押し付けるようなことはやってはいけない。

 
 
   
   
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