イースタングリップ(eastern grip)
ア行 い
読み方 イースタングリップ

 ラケットの持ち方(握り方)ひとつ。

  1. アメリカの東部地方で発生したのでその名(イースタン)がある。
  2. イースタングリップにはフォアハンドとバックハンドの2種類がある。 つまり基本的にイースタングリップはフォアとバックでグリップチェンジをする。
  3. 主にグラウンドストロークで使用。
  4. スマッシュやサービスのグリップとしても使用されることがある。
  5. フォアハンドイースタンは手のひらの角度とラケットフェースの角度が同じ。
  6. バックハンドイースタンは拳の角度とラケットフェースの角度が同じ。
フォアハンドイースタン
バックハンドイースタン

 イースタンフォアハンドはソフトテニスでもフォアハンドに使用している人が多い。がバックはこのグリップでは非常に難しいのでグリップチェンジの必要がある。むろんこのままで(フォアハンドイースタン)のままで手首を返して(フォアハンド面で)バックハンドを打つことも可能だ。世界チャンピオンの謝順風(台湾)はグラウンドストロークは基本的にフォアハンドイースタンワングリップだ。

 この謝順風に限らず世界チャンピオンのベースライナーにはイースタングリップ(厚め、薄めいろいろだが)がおおい。井伊勝利(1979日本)、木口利充(1981日本)、劉宏祐(1985台湾)、金成洙(1989韓国)、金法顕(2003韓国)、そして謝順風(1999台湾)。世界チャンピオンは現在まで11組でているが、その半数以上の後衛がイースタングリップということになる(謝順風以外のたいていの選手はバックハンドでグリップチェンジ)。木之村功一(1977日本)、西田豊明(1975日本)、北本英幸(1995日本)の3人もセミウエスタン系の薄めのグリップだ。

 フォアハンドイースタンのバックハンド面はどうか?これはソフトテニスでは、緊急の場合をのぞいては、ほとんど実用性がない。これは硬式テニスでもそうだが、トッププロのなかではこのグリップでバックボレーやバックハンドスライスを打つ選手もいる。かなり少数派だが。

 驚くべきはロケットとよばれたオーストラリアのロッド・レ−バーで、この人はフォアハンドイースタンのバックハンド面でなんとトップスピンを打つ。恐ろしく個性的でまねしようにもできやしない。ただ彼のグリップはコンチネンタル寄りのオーストラリアンと呼ばれるグリップであり、上の画像よりもかなりうすい。

フォアハンドの打点について

 イースタンフォアハンドは低い打点が打ちやすいと一般的にいわれる。低い打点とはどの程度までか?イメージされるのはアンダー打法といわれる膝の高さ近辺だろうか?実際にはみぞおちの高さくらいまでは、まったく問題ない。胸の高さをこえると脇があいた形でないと、フラット面がつくれなくなるので不安定になる。ここがイースタンフォアハンドの難しさといえるかもしれない。ラケットフェースをたてることでその不安定さを回避することも可能だが、また別の問題がでてきてしまう。

注意!!コンチネンタルとの混同

ソフトテニス関係者には実際にはコンチネンタルグリップなのにイースタンと呼ぶ人がおおい。じゃあコンチネンタルはどう呼ぶのかというと『極端なイースタン』と呼んだりする。イースタンのことはセミイースタンとかイングリッシュあるいはイースタン気味と呼ぶ。これらはすべて間違いだか、実際によくつかわれるので、コーチングをうけるときは実際にはどのグリップを指していっているのかよく確認すること。さらにややこしいことにソフトテニス型イースタングリップなる名称も存在する。これはたいていの場合イースタンフォアハンドと同一のものである。セミウエスタンの場合もあるが。ええい、ややこしい!!でもついでにもっとかこう。ソフトテニス的日常会話?で「彼はイースタンだ」とだれかがいったときは、フォアハンドイースタンか、セミウエスタンであることがおおい。これは発言者がグリップに関して正しい認識をしているわけではなくて、むろんその場合もあるが、気味というのを省略しただけである。混同についてはこちらも参照に。

余談

コンチネンタルは包丁のもち方に、ウエスタンはフライパンのもち方に例えられる、 ではイースタングリップは?フォアハンドは握手する形と良く似ているのでシェークハンドグリップという別名がある。 イースタングリップの導入法に、握手するように、という方法があるのを御存じの方もおおいだろう。 非常にわかりやすいのだが、ボルグにいわせると、それは「わかりやすさのためのわかりやすさだ」ということになる。 彼は握手の仕方はひとそれぞれ千差万別だと主張するのだ。一理あると思う。

 
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